悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
ルイーザが渡してくれたのは、彼女自身の手で刺繍を施した守り袋だった。中には、祈りの言葉を書いた紙が入っている。
「ありがとうございます、ルイーザ様……心強いです。あの方と二人だから、心細くて」
「ソニアも連れていけないんだものね。不安にもなるわ」
今回、ハルディール夫人に同行するのはレオンティーナだけだ。
一応、自分の身の回りのことは自分でできるからいいのだが、何かあった時、すぐに相談できるソニアが側にいないというのが不安を煽る。
季節は完全に冬になっている。強い風が、レオンティーナの髪を乱す。レオンティーナの心が乱れているのと同じように。
「ああ、お兄様がいらした。、本当、気を付けて行ってきてね」
こちらに近づいてくるヴィルヘルムはレオンティーナを行か
せたがるはずなどなく、見せないようにはしているものの目に浮かぶ不満の色を隠すことはできないでいた。
「君が行く必要など、ないのに」
「……ヴィルヘルム様。これは、私の役目だもの」
馬車に乗り込む前に、ヴィルヘルムの手を取る。彼の手は、冷たくなっていた。その手を温めるように、両手で包み込む。
「ありがとうございます、ルイーザ様……心強いです。あの方と二人だから、心細くて」
「ソニアも連れていけないんだものね。不安にもなるわ」
今回、ハルディール夫人に同行するのはレオンティーナだけだ。
一応、自分の身の回りのことは自分でできるからいいのだが、何かあった時、すぐに相談できるソニアが側にいないというのが不安を煽る。
季節は完全に冬になっている。強い風が、レオンティーナの髪を乱す。レオンティーナの心が乱れているのと同じように。
「ああ、お兄様がいらした。、本当、気を付けて行ってきてね」
こちらに近づいてくるヴィルヘルムはレオンティーナを行か
せたがるはずなどなく、見せないようにはしているものの目に浮かぶ不満の色を隠すことはできないでいた。
「君が行く必要など、ないのに」
「……ヴィルヘルム様。これは、私の役目だもの」
馬車に乗り込む前に、ヴィルヘルムの手を取る。彼の手は、冷たくなっていた。その手を温めるように、両手で包み込む。