悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
そこへ、ハルディール夫人が到着し、二人は距離をあけた。
久しぶりに外に出たのか、ハルディール夫人はすっかり疲れ果てた様子だった。実年齢以上に若々しく美しい女性だったのが、今や年齢より老けて見える。
(少し……やつれたかしら……)
ハルディール夫人との因縁は、前世の方が深い。今回の人生では、何度か会話をした程度であった。だが、前の人生では義理の母子であったから、彼女の好みは心得ている。なんとか先方に引き渡すまで、乗り切るしかない。
特に別れを惜しむ様な相手もいないのか、ハルディール夫人はさっさと馬車に乗り込んだ。レオンティーナも彼女に続いて馬車に乗る。
すぐに馬車は動き始め、ハルディール夫人は座席の背もたれにもたれるようにして目を閉じた。
(この方は、自分のお好みのものが出てこないとうるさかったわね)
前世では、大公家の娘であり、皇太子妃でもあるレオンティーナ自身の立場が弱いというわけではなかった。だが、義理の母とはうまくやっていきたい、皇妃とはうまくやっていきたいと願ったこともあった。そのため、前世ではハルディール夫人の前に出ると委縮してしまったものだった。
久しぶりに外に出たのか、ハルディール夫人はすっかり疲れ果てた様子だった。実年齢以上に若々しく美しい女性だったのが、今や年齢より老けて見える。
(少し……やつれたかしら……)
ハルディール夫人との因縁は、前世の方が深い。今回の人生では、何度か会話をした程度であった。だが、前の人生では義理の母子であったから、彼女の好みは心得ている。なんとか先方に引き渡すまで、乗り切るしかない。
特に別れを惜しむ様な相手もいないのか、ハルディール夫人はさっさと馬車に乗り込んだ。レオンティーナも彼女に続いて馬車に乗る。
すぐに馬車は動き始め、ハルディール夫人は座席の背もたれにもたれるようにして目を閉じた。
(この方は、自分のお好みのものが出てこないとうるさかったわね)
前世では、大公家の娘であり、皇太子妃でもあるレオンティーナ自身の立場が弱いというわけではなかった。だが、義理の母とはうまくやっていきたい、皇妃とはうまくやっていきたいと願ったこともあった。そのため、前世ではハルディール夫人の前に出ると委縮してしまったものだった。