悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
(お茶は少しぬるめ、砂糖は基本的にふたつ。お疲れの時はひとつ多く……今は、甘めがよさそうね)
なぜ、大公家の娘であるレオンティーナを、侍女として連れて行こうと思ったのかわからない。だが、最低限、貴婦人の身の回りの世話はできるように学んできた。
ハルディール夫人が気に入るかどうかは不明だが、精一杯、できる限りのことはしようと思う。
馬車の中には、簡単にお茶の用意をすることができる設備が備え付けられていた。レオンティーナはお茶の用意を始めた。
ティーポットとカップを温め、茶葉をはかり――と準備を進める。
ちょうどよい頃合いになったところで、カップに砂糖を三つ投入し、そのカップをハルディール夫人に差し出した。
「――どうぞ」
「気が利くわね」
そう口にしたきり、礼も何も言わなかったけれど、彼女は受け取ったカップを口に運ぶ。ほぅっと小さく息をつくのが聞こえた。
(……大丈夫そうね)
ひとまず、レオンティーナの用意したお茶には満足した様子だ。前世の時とは違い、きつい言葉を浴びせかけられなかったことにほっとした。
なぜ、大公家の娘であるレオンティーナを、侍女として連れて行こうと思ったのかわからない。だが、最低限、貴婦人の身の回りの世話はできるように学んできた。
ハルディール夫人が気に入るかどうかは不明だが、精一杯、できる限りのことはしようと思う。
馬車の中には、簡単にお茶の用意をすることができる設備が備え付けられていた。レオンティーナはお茶の用意を始めた。
ティーポットとカップを温め、茶葉をはかり――と準備を進める。
ちょうどよい頃合いになったところで、カップに砂糖を三つ投入し、そのカップをハルディール夫人に差し出した。
「――どうぞ」
「気が利くわね」
そう口にしたきり、礼も何も言わなかったけれど、彼女は受け取ったカップを口に運ぶ。ほぅっと小さく息をつくのが聞こえた。
(……大丈夫そうね)
ひとまず、レオンティーナの用意したお茶には満足した様子だ。前世の時とは違い、きつい言葉を浴びせかけられなかったことにほっとした。