悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
前世では何度やっても、彼女の気に入るようにはできなかった。あの時のことを思い返すと、今でも胸のあたりをぎゅっと掴まれたような気持ちになる。
(……この方は、何を考えているのかしら)
レオンティーナの方からは口を開かず、背筋をまっすぐに伸ばして座っていた。
彼女の様子を観察し、彼女の望みを察して、命じられる前に動かねばならないと気を張りつめている。
ハルディール夫人は――何を考えているのだろう。もちろん、彼女がレオンティーナにそれを話すとも思えなかったけれど、考えずにはいられなかった。
「そなたは……うまくやったようね。次期皇妃かしら?」
「それは、陛下のお決めになることです」
皇宮で顔を合わせた時には、ハルディール夫人の前に出たらもっと緊張しびくびくしていた。だが、今は、この馬車の中にいるのがふたりだけだからだろうか。気は張っているけれど、不安や恐れは感じない。
「――私ね、国に帰りたいのよ。それだけ」
目の前にレオンティーナがいるのを忘れたかのように、ぽつりとハルディール夫人は口にした。
(……この方は、何を考えているのかしら)
レオンティーナの方からは口を開かず、背筋をまっすぐに伸ばして座っていた。
彼女の様子を観察し、彼女の望みを察して、命じられる前に動かねばならないと気を張りつめている。
ハルディール夫人は――何を考えているのだろう。もちろん、彼女がレオンティーナにそれを話すとも思えなかったけれど、考えずにはいられなかった。
「そなたは……うまくやったようね。次期皇妃かしら?」
「それは、陛下のお決めになることです」
皇宮で顔を合わせた時には、ハルディール夫人の前に出たらもっと緊張しびくびくしていた。だが、今は、この馬車の中にいるのがふたりだけだからだろうか。気は張っているけれど、不安や恐れは感じない。
「――私ね、国に帰りたいのよ。それだけ」
目の前にレオンティーナがいるのを忘れたかのように、ぽつりとハルディール夫人は口にした。