悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「御前会議に参加している貴族達のうち、女性は君に好意的な人が多い。彼女達の手を借りることを考えてみてはどうだろう。彼女達の友人は、御前会議に参加している男性の配偶者でもあるよ」
「……あ、そう……そうですね……」

 どうして今まで思いつかなかったのだろう。父やヴィルヘルムの手を借りず、どうやったら議案を取り上げてもらえるか。レオンティーナはそればかり考えていた。
 だが、レオンティーナはまだ会議に参加するようになったばかり。普通の手段では取り上げてもらえるはずもない。

「女性の貴族の力を借りることができる交友関係を築くのは、君の努力の証――今、御前会議の参加者の中で、交友のある人はいないだろう?」
「そうです。ご挨拶をさせていただいた方は何人かいらっしゃるのですけれど……」

 御前会議に参加を許されるのは百名ほど。そのうち女性はレオンティーナを含めて五名だ。
 皆、レオンティーナより十歳以上年上だから、今までの交友関係には含まれていなかった。
 同年代の友人もいないわけではないが、彼女達が御前会議の参加者に意見したところで、聞く耳は持ってもらえないだろう。
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