悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
第一章 成人貴族としての第一歩
ペンを置いたレオンティーナは、うーんと大きく伸びをした。目の前にあるのは、明日の御(ご)前(ぜん)会議で使う書類だ。
明日、初めて御前会議に参加することになっている。緊張で、今夜は眠れないかもしれないと心配するほど、頭の中は明日のことでいっぱいだった。
「レオンティーナ様、そろそろお休みになりますか?」
侍女のソニアが、そっとレオンティーナの前にカモミールミルクティーのカップを置いた。レオンティーナは礼を言ってカップを手に取る。
少し林檎に似たカモミールの香りと、ミルクの柔らかな甘み。今日は蜂蜜を少し多めに入れてあるようだ。
あたたかなハーブティーは、ずっと机に向かっていて硬くなった身体中をほぐしてくれるようだった。
「そうね。そろそろ寝た方がいいわよね。明日は、早起きしなければだもの」
「では、こちらは片付けておきます」
「ありがとう。それが終わったら、あなたも休んで」
レオンティーナが立ち上がると、波打つ黒髪がさらりと流れた。
はっきりとした目元、すっと通った鼻筋。意志の強さを示すように結ばれつつも、微笑んでいるように口角の上がっている艶やかな唇。
明日、初めて御前会議に参加することになっている。緊張で、今夜は眠れないかもしれないと心配するほど、頭の中は明日のことでいっぱいだった。
「レオンティーナ様、そろそろお休みになりますか?」
侍女のソニアが、そっとレオンティーナの前にカモミールミルクティーのカップを置いた。レオンティーナは礼を言ってカップを手に取る。
少し林檎に似たカモミールの香りと、ミルクの柔らかな甘み。今日は蜂蜜を少し多めに入れてあるようだ。
あたたかなハーブティーは、ずっと机に向かっていて硬くなった身体中をほぐしてくれるようだった。
「そうね。そろそろ寝た方がいいわよね。明日は、早起きしなければだもの」
「では、こちらは片付けておきます」
「ありがとう。それが終わったら、あなたも休んで」
レオンティーナが立ち上がると、波打つ黒髪がさらりと流れた。
はっきりとした目元、すっと通った鼻筋。意志の強さを示すように結ばれつつも、微笑んでいるように口角の上がっている艶やかな唇。