悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 胸が痛いような、それでも、彼の言葉を嬉しいと思ってしまうような、そんな複雑な気持ちに、レオンティーナは困惑する。

「でも、私は……帝国史上最悪の皇妃で、そんな、ヴィルヘルム様と一緒にいられるような人間、では……」

 ヴィルヘルムには夢の中の出来事として伝えたけれど、あの牢獄での日々はレオンティーナの中にたしかにある。
一度国を滅ぼした自分が、ヴィルヘルムと一緒にいるなんて許されるのだろうか。

「それは今の君の罪じゃないだろう。それに――今の君なら、同じ失敗は繰り返さないと信じている」

 こちらを見るヴィルヘルムの目が熱をはらむ。
 ドキドキと鼓動が速くなり、自然と涙があふれてくる。返事をしなければならないのに、言葉が出てこなかった。

「ギルベルトが、君をこの花にたとえた理由が、俺にもよくわかる。だから、今日、ここを選んだんだ。この花の持つ強さは君に似ている。どうか、俺の側に――一生、いてほしい」

 ぐいと手を引かれて、ヴィルヘルムの胸に引き寄せられる。

「……返事は?」

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