悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
「……君、こんなところで何をしているんだ?」
「……ギルベルト殿下!」

 不意に声をかけられ、レオンティーナは飛び上がった。声をかけてきたのは、第四皇子のギルベルトだ。たった今、彼のことを考えたばかりだから、なおさら驚いた。

「気づかず申し訳ありません。考えごとをしておりました、殿下」

 今日、レオンティーナは皇宮の図書館を訪れていた。ユエラ伯爵夫人に話を持ちかける前に、他国の教育制度についてもう少し詳細に調べようと思ったのだ。
 レオンティーナの知識はすべて、一度目の人生と、この図書館から得たものだ。そのためにわざわざ皇帝から、入館の許可を取り付けたほどだった。

「考え事? 最近、見かけないとは思っていたんだ。忙しそうだからね」
「そうですね。最近は、こちらにうかがう機会もあまりなかったように思います」

 ギルベルトは、レオンティーナに手を差し出した。レオンティーナはありがたくその手に自分の手を重ねて立ち上がる。

「御前会議だろう。君はよくやっているよ」
「発言の機会も、なかなか得ることができなくて座っているだけです……」

< 36 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop