悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
第二章 皇帝の命令
父の手伝いをしていない時は、レオンティーナはたいてい皇宮の図書館で過ごす。帝国全土から送られてくる報告書のうち、機密に属さないものはここに置かれているからだ。
もちろん、国家の大事に関わるような機密情報はレオンティーナの見られるところには置かれていない。けれど、多数の情報を突き合わせてみれば、自然と見えてくるものもある。
「ソニア、アンドレアス殿下の領地……ターナジアに関する資料を集めてくれる?」
「……かしこまりました」
レオンティーナの命令に、ソニアは首をかしげた。
広い図書館の中、あちらこちら歩き回って、頼まれた資料を抱えて戻ってきた時にも、彼女の茶色の瞳から疑問の色は消えていなかった。
「そんな顔しないで」
「……ですが」
アンドレアスの関係については、気を配らねばならない。ソニアが不安になるのも当然だ。
ここは図書館であり、おしゃべりをする場所ではない。レオンティーナはひそひそとソニアにささやいた。
「アンドレアス殿下の領地は、ヘイルダート王国とザリロッド王国との国境に接しているでしょう……あの方のお母上は、ザリロッド王国の出身だから」
もちろん、国家の大事に関わるような機密情報はレオンティーナの見られるところには置かれていない。けれど、多数の情報を突き合わせてみれば、自然と見えてくるものもある。
「ソニア、アンドレアス殿下の領地……ターナジアに関する資料を集めてくれる?」
「……かしこまりました」
レオンティーナの命令に、ソニアは首をかしげた。
広い図書館の中、あちらこちら歩き回って、頼まれた資料を抱えて戻ってきた時にも、彼女の茶色の瞳から疑問の色は消えていなかった。
「そんな顔しないで」
「……ですが」
アンドレアスの関係については、気を配らねばならない。ソニアが不安になるのも当然だ。
ここは図書館であり、おしゃべりをする場所ではない。レオンティーナはひそひそとソニアにささやいた。
「アンドレアス殿下の領地は、ヘイルダート王国とザリロッド王国との国境に接しているでしょう……あの方のお母上は、ザリロッド王国の出身だから」