悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 隣で、ソニアがたしなめる。彼女にたしなめられて、ますますロニーは困った顔になった。あまりよい教育を受けていなかったために、マナーを守るというのがロニーには大変なのである。

「いいわ、おいおい直していけば」
「直さないとだめですか」
「我が家にいるのであればね。それに、粗野なままでは、ソニアと釣り合いが採れないもの」
「レオンティーナ様!」

 すました顔でレオンティーナが言うと、ソニアは真っ赤になってしまった。
 大罪を犯し、逃げ込んできたロニーを匿ったのだから、ソニアの気持ちの方はすぐに気づいた。ロニーの方はあとから無理やりレオンティーナが聞き出したのだが、この二人、お互い初恋同士なのだ。

「いいわね、ロニー」
「わかりました。で、俺は何をしたらいいんです?」
「ロニー、気を付けて!」

 ソニアの方に、ロニーは手を振る。黙っていろと言いたいらしい。それに気付き、ソニアはおとなしく口を閉じた。

「グラナック博士は知っているわね? グラナック博士と一緒に、ターナジアに赴いて、マレイモの栽培方法を伝授することになったの。あなたには、博士の助手として同行してもらうわ」
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