悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 今回の人生で、レオンティーナが誰よりも上手に国を治められると思ったのは、牢の中にいる間にソニアからいろいろと教えてもらったからだった。
 最初は、利用するだけのつもりだった。だが、長い年月を一緒に暮らす間、レオンティーナの気持ちにも変化が表れていた。

(ソニアにも、幸せになってほしい)

 それは、嘘偽らざるレオンティーナの本心。
もちろん、罪を犯したロニーをそのままにしておくつもりはない。ロニーが罪の償いを終え、その時までにふたりの気持ちが変わらなかったら――その時には、きっと。

「レオンティーナ様、何を考えていらっしゃるのです?」
「いえ、なんでもないの。出発前に、できる限りの情報を集めておかないとね。家にある資料を整理して、足りない分は明日皇宮の図書館でそろえることにしましょう」

 グラナック博士にも同行を頼まなければならないし、養護施設の運営についても、レオンティーナがいなくても滞りなく進むようにしておかなければならない。
 出立までの間は、あわただしいことになりそうだった。
 

 ◇ ◇ ◇

 

「――ずるいわ!」

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