悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 レオンティーナとヴィルヘルムがアンドレアスの領地に赴くと聞き、ルイーザはふくれっ面になった。

「私だって、お兄様の手伝いができるのに! レオンティーナの手伝いだってできるわ」
「……ルイーザ。遊びに行くんじゃないんだぞ」
「わかっているわよ、そのくらい」

 出発前に皆でお茶の時間にしようという話になり、ルイーザに準備を頼んだ。
 張り切ってギルベルトにまで使いを出したというのに、ヴィルヘルムとレオンティーナだけ出かけると聞いて、ルイーザの機嫌は最低のところまで急降下したのである。

「それなら、僕の手伝いをする? 資料の整理」
「ギルベルトお兄様の資料ってとても重いのでしょう? それは嫌よ!」

 ルイーザはぷいと顔をそむける。
 一度目の人生の記憶があるレオンティーナは、実年齢より大人びて見られることが多いが、ルイーザはよくも悪くも感情の赴くままに動く。

「ルイーザ……お前な……」
「だって……私だけ仲間外れなんだもの!」
「ルイーザ様。陛下のご命令だから……」
「知らない!」

 皆が交互になだめようとするが、ルイーザは聞く耳を持たない。
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