悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
第三章 アンドレアスとの再会
慌ただしく準備を進め、三日後には出立の用意が整った。
バルダート大公家の屋敷の前には、立派な馬車が停められている。
使用人用の制服に身を包んだソニアとロニーは、荷物を馬車に積み込むのに忙しかった。
旅行用の身体を締め付けないドレスに身を包んだレオンティーナは、両親の首に手を回し、それぞれの頬に口づける。
「それでは、お父様。お母様――行ってきます。ハイラムは、お父様とお母様の言うことを聞いて、いい子にしているのよ。お土産を買ってきてあげるから」
「ねえさま、いないの?」
レオンティーナとよく似た面差しのハイラムは、涙をこらえるような目で見上げてきた。
まだ、三才。言葉も覚えたばかり。こんなに可愛い弟を置いていかなければならないと思うと、つい、ため息をこぼしてしまう。
「ええ。しばらくの間、お仕事で留守にするの。たくさんおねんねしたら、帰ってくるから待っていてね」
ハイラムは、小さな手を伸ばしてぎゅっとレオンティーナのスカートを掴む。行ってほしくないとその表情は語っていたけれど、レオンティーナはしゃがみ込んで弟と目を合わせた。
バルダート大公家の屋敷の前には、立派な馬車が停められている。
使用人用の制服に身を包んだソニアとロニーは、荷物を馬車に積み込むのに忙しかった。
旅行用の身体を締め付けないドレスに身を包んだレオンティーナは、両親の首に手を回し、それぞれの頬に口づける。
「それでは、お父様。お母様――行ってきます。ハイラムは、お父様とお母様の言うことを聞いて、いい子にしているのよ。お土産を買ってきてあげるから」
「ねえさま、いないの?」
レオンティーナとよく似た面差しのハイラムは、涙をこらえるような目で見上げてきた。
まだ、三才。言葉も覚えたばかり。こんなに可愛い弟を置いていかなければならないと思うと、つい、ため息をこぼしてしまう。
「ええ。しばらくの間、お仕事で留守にするの。たくさんおねんねしたら、帰ってくるから待っていてね」
ハイラムは、小さな手を伸ばしてぎゅっとレオンティーナのスカートを掴む。行ってほしくないとその表情は語っていたけれど、レオンティーナはしゃがみ込んで弟と目を合わせた。