悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く～破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます～ ２

「無茶って……」

　両親はソニアにレオンティーナを託していたけれど、ルイーザはレオンティーナにヴィルヘルムを託すようだ。

「無茶なんてするものか。父上から任された仕事なんだからな」

　今日のヴィルヘルムは、いつもより軽装であった。長旅をするということもあって、楽な服装を選んだのだろう。
　いつも会う時とは違う彼の様子に、つい胸をドキドキさせてしまう。

「レオンティーナ、こちらの馬車に」

　ヴィルヘルムがレオンティーナを招く。

「私が、ヴィルヘルム様と一緒に？」

　てっきり、レオンティーナは、大公家の馬車で行くものだと思っていた。

「馬車の中でも、仕事をしないといけないんだ。君がいてくれたら、すぐに話ができるからね」
「わかりました」

　レオンティーナの方もそうするつもりで、書き物をするための簡易デスクや、書きかけの書類、資料なども馬車に持ち込んである。
　ヴィルヘルムの馬車にはデスクがあるという話だったから、書類と筆記用用具だけをヴィルヘルムの馬車に移動させる。