悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 ヴィルヘルムとレオンティーナは皇帝一族の馬車に。ソニアとロニーは大公家の馬車に。グラナック博士には助手と共に一台という組み合わせになった。
 ヴィルヘルムの側仕えや、物資の配分に関わる者は、物資と共に先に出発しているという。
 三台の馬車と護衛を連ねて、皇宮を出立した。
 ヴィルヘルムとレオンティーナは、並んで座っていた。ふたりの前には小さなテーブルが置かれていて、そこには飲み物のカップが置かれている。

「ヴィルヘルム様、少しお疲れの様子ですね」
「君も」

 アンドレアスの領地であるターナジアまでは、ゆっくり行くとなると二週間ほどかかるそうだ。今回は、レオンティーナが同行するということもあり、ゆったりめの旅程が組まれている。
 ギルベルトから預かった資料と、グラナック博士から預かった資料。さらに、レオンティーナが進めている教育制度の改革に関する資料。それらをテーブルに出すと、ヴィルヘルムは小さく笑った。

「レオンティーナ、君は休むということを知らないのかな」
「でも……全部目を通しておかないと……」

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