【完結】わたしの偽り彼氏になってください!
そして日曜日、約束どおり10時に駅の東口へと向かった。
琉生くんは、どこかな?
「……いた」
あの背の高い男の子は、完全に琉生くんだ。
茶髪の髪に、右耳にピアスがついていて。
いつも香る、同じ香りの香水のニオイ。
「……琉生くん」
「お、美南。来たか」
「お、遅くなって、ごめん」
「べつに?時間通りだし」
「う、うん」
「……美南、似合ってるじゃん」
「えっ?」
「……そのワンピース」
「あ、ありがとう……」
まさか琉生くんが、褒めてくれるとは思わなかった。
ワンピースにした理由は、単にデートだからって理由だけど……。
褒めてくれるのは、嬉しいかも。