【完結】わたしの偽り彼氏になってください!
「……うん」
わたしは、琉生くんのことを好きになりたい。
本気でそう思っていた。
あの夜、兄に琉生くんのことをメールで相談した。
そしたら兄は、優しくこう言っていた。
【それは多分、恋じゃないかな?知らないうちに恋してるんじゃない?】
そう言われて分かった。
わたしはやっぱり、彼のことを少しずつ気にかけているんだと。
「……美南、おまえに好きになってもらえるように、オレがんばるから」
「……頑張らなくても、いいよ」
「……え?」
「わたしが、がんばるから。好きになれるように、がんばるから」
「……美南?」
「好きになりたい。……ううん、好きになるから、琉生くんのこと」