可愛くないから、キミがいい【完】
手を繋いでしまっているまま、パークの中へと足を進める。
ちらちらと羨むような視線だけが、今の私を、いつもの私らしくいさせてくれるような気がした。
「和泉くんは、写真とか撮らないわけ?」
「なに、広野の?」
「別に、みゆの写真を撮ってとか言ってないし。違う。フツウに、色々と」
「興味ない。SNSとかもよく分かってないし」
「へえ。下手くそなんだ」
「下手なのかもな。まあ、メッセージアプリとかで十分」
ずっと口も悪いし、女の子にモテたい、みたいなオラオラした感じもないし、きっとマメな人でもないのだろうと思う。
SNSで自撮りとかハイブランドのお洋服やアクセサリーをアップするような人にもみえない。
最低な性格は置いておいて、ちやほやされそうな容姿のくせに、それを活用しないなんて、美の無駄遣いで本当に罪深い。
やっぱり、地獄行きだ。