可愛くないから、キミがいい【完】




「ピアスをくれるひととかいらっしゃるみたいだけど、男子校だから出会いなんてないよね。和泉くん、ほんとは合コンとかたくさんいってたりして。 みゆは、別にどうでもいいけど」

「どうでもいいなら、聞くなよ」

「……仕方なくの、話題作りだもん」

「わざわざどーも。中学は共学だったし、元カノとかは、そこで知り合ったやつがほとんど」

「へえ」

「合コンとか、人数合わせでしか行かねえな」

「ふぅん」

「みゆは、別にどうでもいいけど?」



突然、下の名前で呼ばれて驚いた次の瞬間には、それが嫌味だと気づいて、繋いだ和泉しゅうの手の甲を、また抓る。

狂暴でいたくないのに、言い返してもどうせ馬鹿にされてしまうような気がして、実力行使にでるしかない。



グッバイ天使、ハロー悪魔。

そういう映画があったら、
今日限定で私が主人公でサイアクだ。



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