可愛くないから、キミがいい【完】





和泉しゅうが、ほんの少しだけ眉をひそめて私を見ていた。


電話の向こうで、ママは、それは有難いけど、でも、迷惑だよね、みゆどうしようね、なんてぶつぶつと一人で呟いた後、「だけど、やっぱり、その人さえよければ、泊まらせてもらったら?」と言った。



「もし何かあったら、すぐに、ママかパパに電話してね」

「わかった。泊めてもらうね。ごめんね」

「ううん。ママはパパとゆっくりするから、みゆも大変だとは思うけど楽しんで」




じゃあ、おやすみ、とママから電話を切られた。

さっきはすごく慌てていたし、本当に心配してはくれているのだろうけど、きっと五分後には、パパとイチャイチャすることしか考えてなさそうだ。

ほとんどのことはなんとかなると思っている楽観主義者のママである。


ゲンナリとしてしまいながら、
携帯の電源を落とす。





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