可愛くないから、キミがいい【完】
「おめでとう~! みゆ、絶対ミーナとトシ君はうまくいくと思ってたよ」
「ありがとう。ようやくって感じだけど」
「だよね、でもミーナが幸せだとみゆも嬉しい。トシ君、優しそうだよね」
「うん、優しいよ」
「ミーナ、まじでおめでとう~!」
「マユもありがとう~」
恋する女の子の顔をしている、ミーナ。
その後、経緯を聞いたところ、トシ君のほうからミーナに告白したみたいだ。
付き合う前から、付き合っている男女のようなこともしていたみたいで、『俺はミーナのことが可愛くて大好きだから、今更だけど付き合ってくれない?』と言われたらしい。
フルーツサンドを食べながら、にやけるミーナの顔を見ていたら、ちょっと胸やけした。
『可愛くて、大好き』―――自分が狙っている男の子に言われたら、最高なセリフだ。
いいなあと思う。
今なら、私は誰に言われたいのだろう。
考えてみたら、絶対にそのセリフを言わなさそうな男の顔が浮かびそうになって、あわてて思考をストップさせる。