可愛くないから、キミがいい【完】
「そろそろ、中途半端なのは、終わりにしたいなあって思ってる。色々と」
「そう、なんですね」
「だから、最近は誰かとなんとなく付き合うこともしてないよ」
それを私にわざわざ言う理由が、分からないわけではない。
だけど、分からないふりをしていたかった。
惚けたような表情で、こてんと首を傾げたら、唯人君は苦笑いをして、立ち上がった。
「みゆ、このあとどうする?」
「……うーん、どうしようかなあ」
「俺の部屋、来ませんか?」
差し出された手をとって、立ち上がる。
「唯人君がみゆに来てほしいなら、いいですよ?」と、頷いたら、唯人君は、私の好きな困ったような笑い顔をしてくれた。
部屋についたら、どうせすることは一つだ。
たこ焼きを食べて、口内環境が微妙だったので、こっそりとぶどうの飴だけなめておいた。