可愛くないから、キミがいい【完】
「みゆー、今日ってひま?なほちんと、プラネタリウム行くけどみゆもくる?」
放課後、帰る準備をしていたら、
マユからお誘いをうける。
ミーナはトシ君と約束があるといって、ホームルームが終わってすぐに教室を出ていったから、もういない。
プラネタリウム、という響きに、一瞬気持ちが傾きかけたけれど、先約があったので、ちょっと残念そうな表情をつくって、首を横に振った。
「ごめん。みゆ、今日は予定はいっちゃってる」
「あ、男?」
「うーん、女の子ではないかも? マユ、また誘ってよー、みゆもプラネタリウム行きたくなってきた」
「ドタキャンしちゃえば?」
「もーう、それはしないよ。マユは、コウタ君とはいつ会うの?」
少し、揶揄うような目をマユに向ける。
そうしたら、マユは、「じゃあ、私はなほちんと行ってくるね。ばいばーい」と、私の質問はスルーして教室を出て行ってしまった。
たぶん、未だにコウタ君はマユに告白を保留にされているんだと思う。
ちょっと可哀想だけど、今は他人の恋なんて、正直気にしていられない。