可愛くないから、キミがいい【完】
「はー」
憂鬱が重なっている。
どうしてこうも、続くんだろう。
最近の憂鬱ごとを頭に思い浮かべる。
まず、イケメンじゃない男の子に告白されてドーナツを食べ逃したこと。
東高の男の子とのカラオケで、伊達メガネザルの部屋に連れ込まれそうになったこと。
それから、和泉しゅうに関しては出会ったことがもうバッドイベント。
それで、極めつけは、元彼とすれ違ったこと。
頭の中で雑に並べる。
どれもこれも最低だけど、群を抜いて、最低なのはやっぱり和泉しゅうと出会ってしまったことかもしれない。
私の正義が馬鹿にされたんだもん。
思い出したら、またむかむかしてきてしまう。
教室に戻ると、またミーナとマユは昨日の男の子たちの話を続けていた。不機嫌な態度をとるのは性に合わないから、求められている相槌を適当に返す。
そうしながら、机の下で携帯を確認すると、ずらりと並ぶ男の子たちのメッセージの中に、久しぶりの男の子からのメッセージを見つけた。
男の子っていうよりは、男の人って言ったほうが正しいかもしれない。