可愛くないから、キミがいい【完】





「えー、みゆ、悪魔みたいじゃんかあ」



小声で不平をこぼせば、「悪魔なみゆちゃんもたまには見たいかも!」なんて、陽キャな山路君が目の前でへらへら笑いながらフォローしてきた。


今のは、あんたじゃなくてミーナに言ったんですけど。ていうか、悪魔なみゆちゃんってあんた喧嘩売ってんの? なんて、思いながらも山路君には、「えー、やだなあ」って適当な返事をするにとどめておく。



結局、ミーナの案にみんなが賛成して、私たちはプリンセスやプリンスの王道コスプレじゃなくて、色々な映画のちょっとシュールな変装をすることになった。


私は、三つ編みのお化けの女の子の変装にすぐに決定してしまう。

こっそり、ため息だけ吐いておいた。





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