可愛くないから、キミがいい【完】
マユはやんちゃ系の男の子が好きだし、ミーナはかわいい系が好き。なほちんはオールマイティだ。
マユとミーナとは好みが違うからかぶらないだろうけど、なほちんは分からない。それでも、結局、ねらった男の子は私のものになる。
東高は男子校だから、女の子にはあまり慣れてなさそうだ。
そういう人たちには、純情ぶるのが大切なポイント。私は何も知りません、経験もないですってピュアなふりをしてさりげなく身体を寄せて可愛く笑ってあげる。
連絡先教えて?って耳元でおねだりして、相手が頷いたら私の勝ちだ。
キープしている男の子の連絡先は大量だから、とてもじゃないけれど友達には見せられない。
ほとんどは通知を切っているし、しつこい人の連絡先は容赦なく削除する。
二股とかそういうことはプライドが傷つくからしないけど、お互いに彼氏彼女がいないときにデートしてキスやその先をする相手はいる。
していることはあんまりよろしくないけれど、別に悪いことではないと思う。
放課後になってトイレで軽くメイク直しをした後、四人で駅前にむかった。
前髪を整えながら、決心する。
―――次の恋は、絶対に、失敗しない。