キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
失恋の瞬間
空が高くなってきた体育の日。

いよいよ秋季大会本選が始まり、学校からバスで一時間ほどかかる球場に足を運んだ。


あれから練習でいいあたりを連発した中江くんは、池田先輩の推しもありベンチ入りしている。

投手としての出場があるかどうかはわからないけど、代打くらいならありそうだ。


「湊、すごいな。先輩たちに交ざっても体格差ないし堂々としてる。あっ、態度がでかいだけか」


応援席で隣に並んだ大島くんがぶつくさつぶやいているので噴き出した。

たしかに態度はでかい。
けれども、それも練習を積んでいるという自信の表れだと思う。


「やっぱり、部活以外にもトレーニングしてるのかな?」

「それっぽいよ。湊に筋トレ方法聞いたら、すらすら出てきたから」


ということは、ランニングだけでなく筋トレもやっているんだ。


「大島くんもやり始めたんだね」

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