キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
でも、他にも仕事があるので妥協して、再び倉庫に走った。


その頃、早めのお弁当を食べた部員たちが集まってきた。

マネージャーのふたりの先輩も一緒だ。


「柳瀬さん、曲がってるって。もうちょっとどうにかならない?」


北見先輩にクスクス笑われて、穴があったら入りたい気分だ。


「すみません。もう一回引き直……あっ」


もう一度ラインカーを手にしようとしたのに、スルッと持っていかれてしまった。


「北見、柳瀬ばかりにやらせるな」
「す、すみません」


ラインカーを北見先輩に渡したのは池田先輩だった。


「柳瀬、まだ飯食ってないだろ?」

「……はい」

「食ってこい」

「食べてなかったの? 私、知らなくてごめん」


池田先輩の言葉を聞いた北見先輩が、慌てた様子で謝ってくる。


「あぁっ、大丈夫です。それでは大至急食べてきます!」


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