キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
私は監督にボールを渡しながら、選手たちが必死にボールを追う様子を見ていた。

監督がきわどい場所にボールを打つと、選手ふたりがぶつかりそうになることもある。


「おーい。声出していこう。ケガするぞ!」


それを見た池田先輩が肩で息をしながらも、大きな声を張りあげる。

カツを入れるように自分の頬をパンパンと叩いている彼は、自身もきつい練習を積みながら、他の部員を気遣う余裕を見せる。

そんな彼は本当にかっこよくて、チームをまとめる力があるなと後輩ながらも感心した。

シートノック練習がひと通り終わったあとは、監督を囲んでダメ出しをされた。

何度も失敗はあったけど、今のチームで足りない部分を確認するのも練習のうちなのだ。


特に内野の連携プレーがスムーズにいかない。

< 52 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop