キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
私は甲子園でプレーできないけど、私も必死に頑張る選手たちと同じ気持ちで立ち向かいたいだけ。


「ありがたいなぁ。甲子園、連れていくからな」


先輩のその言葉がどれだけうれしかったか。
微笑まれて瞳が潤んでくる。

今日は体調を崩してしまったけど、また頑張れそうだ。


そんな話をしていると再びドアが開き、今度は中江くんが入ってきた。


「チビ、調子よくなった?」
「チビじゃないって!」


言い返すと、池田先輩がクスクス笑う。


「荷物、吉岡先輩がまとめてくれた。ほら」


カバンや着替えを持ってきてくれたらしい。


「ありがと」

「お前たちって仲いいよね。そろそろ付き合う?」

「冗談はやめてください!」


鼻息が荒くなったのは、池田先輩に妙な誤解をされたくないからだ。


「俺、ファンはいくらでもいるんで、チビじゃなくても大丈夫です」
「は?」


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