キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
中江くんが誤解を解いてくれて助かったけど、なぜか上から目線なのでギロリとにらんでおいた。


「俺、コイツと同じ方向なので送ります」

「大丈夫かな。家の人に電話して迎えに来てもらうのは?」


中江くんの申し出に、池田先輩が別の提案をする。


「もう平気ですから、中江くんにお願いします」


中江くんには申し訳ないけど、普段真奈の看病に走り回っている母を呼び出して負担をかけたくない。


「柳瀬がそう言うなら……中江、頼める?」
「はい」


池田先輩にあいさつをしたあと、中江くんに少し待ってもらい制服に着替えた私は、学校を出た。


こころなしかいつもより歩幅が小さい中江くんは、私の歩くスピードに合わせてくれているのかもしれない。

やっぱりちょっと体が重くて、シャキッとできないのだ。


「休憩する?」
「ううん。駅まで頑張る」


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