キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
もう少しだからと笑顔を作ったのに、彼は私の腕を引き一本道を入ったあと、公園のベンチに座らせた。

そして近くの自販機でスポーツドリンクを二本購入して、一本くれる。


「ありがとう」
「道路の真ん中でぶっ倒れたくないなら無理すんな」


隣に腰を下ろした彼の言葉はぶっきらぼうだけど、思いやりがあった。


「ほんとごめん。さっきはすごく助かったよ。中江くんのファン、減らないかな……」

「大丈夫だ。チビに負けたと思うヤツなんていないだろし」

「どういう意味よ!」


かなり失礼じゃない?


「元気になったな」
「……うん」


怒ってみせたのにそんなふうに言われてトーンダウン。
たしかに、まだだるいとはいえかなり復活した。


「お前、母さん呼びたくなかったんだろ」

「なんで、それを?」

「妹が大変なのに、自分が迷惑かけられないって思ってるんじゃねぇの? けど、お前も娘だぞ」


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