キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
「いないよ。告白とかもまったくなし」


それじゃあ、須賀くんが初告白になるはずだったんだ。

それを私が聞いてしまったなんて、妙な罪悪感に包まれる。
もちろん、私のせいではないけれど。

今後彼がどうするのかわからないけど、私が気にしても仕方がないか。


「そっか」
「でも、彼氏ってあこがれるよね」


目尻を下げて微笑む真奈は、本当にかわいらしい女の子だと思う。

控えめだけど、暗いというわけではなく誰とでも打ち解けるし、守ってあげたくなるような雰囲気を漂わせている。


「真奈ならすぐにできるんじゃない?」

「そうかなぁ。できるといいな」


真奈は楽しそうに微笑んだ。



翌日。池田先輩は練習は休んだけれど、グラウンドには顔を出した。
するとすぐに囲まれる彼は、やはりチームには必要な人だ。


「先輩、痛々しいですね」
「痛いからな」


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