キミがくれた奇跡を、 ずっとずっと忘れない。
中江くんの発言にあっさり答える池田先輩は、「ちょっと」と彼を手招きしている。
私は汚れたボールを拭きながらふたりの会話に耳を傾けた。
「いろいろ考えたんだけど、今一軍のヤツからケガ人が出ると、誰が代わりに入る?という話になる。それぞれのポジションに二年の控えもいるけど、俺は第一候補は中江かなと思ってるんだ。打撃が期待できるし、どこでも守れるだろ、お前」
池田先輩の話にテンションが上がる。
万が一、池田先輩が出場でないときは、二年生から補充するとばかり思っていたからだ。
「そんな話ですか。俺、補充要員になるつもりないんで。レギュラーください」
大喜びすると思っていた中江くんが、淡々とレギュラーを要求するので目が飛び出そうになる。
「なるほどね。紅白戦では見せつけられたからな。監督も気にかけてるんだよ、中江のこと」
「当然です」
私は汚れたボールを拭きながらふたりの会話に耳を傾けた。
「いろいろ考えたんだけど、今一軍のヤツからケガ人が出ると、誰が代わりに入る?という話になる。それぞれのポジションに二年の控えもいるけど、俺は第一候補は中江かなと思ってるんだ。打撃が期待できるし、どこでも守れるだろ、お前」
池田先輩の話にテンションが上がる。
万が一、池田先輩が出場でないときは、二年生から補充するとばかり思っていたからだ。
「そんな話ですか。俺、補充要員になるつもりないんで。レギュラーください」
大喜びすると思っていた中江くんが、淡々とレギュラーを要求するので目が飛び出そうになる。
「なるほどね。紅白戦では見せつけられたからな。監督も気にかけてるんだよ、中江のこと」
「当然です」