先生がいてくれるなら②【完】
「あぁ、そう言えば……」
私の頭を優しく撫でながら「お土産渡すの、忘れてた」と呟いた。
ちょっと待ってて、と言って寝室へ行き、何やら細長い小さな箱を私に手渡した。
「お土産って言うか……誕生日プレゼントだけど」
──えっ!?
「先生、私の誕生日、知ってたんですか?」
「んー、修学旅行の時に、滝川が俺に聞こえるように呟いてた」
美夜ちゃん……。
親友のさり気ない気遣いにも、それを聞いてプレゼントを用意してくれた先生の優しさにも、心の底から嬉しくなり、もう感謝しかない。
「ありがとうございます。あの、開けてみても良いですか?」
「どうぞ」
包み紙を開けて箱をそっと開くと、その中には、ネックレスが納められていた。