先生がいてくれるなら②【完】
修学旅行の引率から帰ってきた俺は、自宅に戻ること無くそのまま病院へと車を走らせる。
ボサボサの髪を、整髪剤で整えて。
服装は……校外へ出ての仕事だから、と言うことにして、普段学校に行く時よりはまともな着替えを持って行っていて。
案の定生徒たちは俺の服装にちょっと違和感を覚えていたようだったが、そんな事はどうでも良かった。
誰に何を思われても、どうでもいい。
今の俺は、アイツが最優先だから。
病院の駐車場に車を停め、立花のいる病室へ急ぐ。
面会時間はもうとっくに終わっていて、病院内にいるのはほとんどが関係者だけだ。
エレベーターの動きがとても遅く感じる。
もっと早く動けよ。
イライラしながら扉が開くのを待つ。
ようやく目的の階に到着し、扉が開くと同時に飛び出してアイツのいる場所へと小走りで向かう。
目的の部屋の前で、上がる息を少しだけ整えて。