先生がいてくれるなら②【完】
そっと部屋の中を窺うと、何もやることが無いらしく、ぼんやりと呆ける立花の姿が目に入る。
「あぁ、退屈~」
愛しい人の、可愛い声。
思わず顔がほころんでしまうのを、俺は慌てて手の甲で隠した。
なんだ、案外元気そうじゃん。
「うーっ、やっぱり退屈っ……!」
ダメ、もう我慢出来ねぇわ。
──コイツ、面白すぎる!
もう少し観察したかったが、思わず笑い声を漏らしてしまったので、立花に気付かれてしまった。
「お前、どんだけ退屈なんだよ」
俺がそう言って笑うと、立花は慌てて近寄ってくる。
心配してたけど、思ったよりも顔色も良い。
元気そうで本当に、……本当に良かった。