先生がいてくれるなら②【完】
「私、先生にも、伝えなきゃいけない事があります」
真っ直ぐに俺を見る立花は、そう言って今までのことをひとつひとつ上げて、お礼を伝えてくれた。
そんな風に捉えてくれていたのかと、嬉しさから思わず涙が出そうになる。
「でも、本当はお礼よりもっとずっと伝えたい事があって……」
そう言って一度言葉を切った立花の顔は、少し緊張した面持ちになる。
そして──
「先生、あのね……
私、先生のことが、好きです」
立花の手が震えているのが、俺にも分かる。
極度の緊張から来る震え。
きっと、ものすごく勇気を出して伝えてくれたんだろう。
それを思うと、本当に堪らない気持ちになる。
困ったなぁ。
可愛すぎて。
愛しすぎて。
俺は、教師なのに。
「立花……」