先生がいてくれるなら②【完】
「17歳か……」
俺の誕生日が来るまでの「束の間の8歳差か……」って現実を思い知ると、何とも言えない気持ちになる。
俺は項垂れて、立花の肩に額を押しつけた。
本当は9歳差──この差が縮まることは、一生無い。
女子高生から見た9歳年上の男なんか、ただのオッサンに違いないもんなぁ。
俺がひとりで勝手に落ち込んでいると立花はハッと何かに気がついた様子で、俺の誕生日を教えて欲しいと言い出した。
別に知らなくていい、だって「……俺、生まれてきたこと、後悔してるから」。
俺の兄弟が女ばっかりだったらまだこんな風には思わなかったかも知れないが、れっきとした正妻が産んだ男子が二人もいるんだから、俺の存在意味は最早無いに等しい。
俺は項垂れたまま──立花の肩に顔を埋めたまま、顔を上げることが出来ないでいた。
そんな俺に向かって彼女は、出会ってから一番とも言えるほどの、とても巨大な爆弾を落としたんだ──。