先生がいてくれるなら②【完】

「お前、俺が暴君でもいいっつったじゃん」

「う……」


先生の一言に、私はますます顔が熱くなる。


言った、言いました、確かに私がそう言いました。


暴君で悪魔みたいでも、もちろん大好きです。



私は先生を睨むのを諦めて、赤い顔をなんとか誤魔化そうとコーヒーカップに手を伸ばす。


コーヒーを飲んだからって顔の熱が治まるかって言ったら、もちろん無理な話だけど。



カップに伸ばした手は先生の手に阻まれ、私の手はあっけなく先生の大きくて暖かい手に包み込まれてしまった。


「先生……ここ、学校ですっ」


朝から数学準備室を訪れる人はいないけど。


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