先生がいてくれるなら②【完】

* * * * *

日曜日の朝。



立花の家まで車で迎えに行き、「どこに行きたい?」と聞くと──


「あの、リョウさんとユキさんのお店に行きたいです」


そう言われて俺は思わず苦笑した。


なぜなら、もし立花が『どこでもいい』って言い出したら連れて行こうと思っていた場所と一緒だったから。


同じ事を考えていたのかな、と思うと嬉しくもあり、少々気恥ずかしくもあり……。


「良いの? そんな所で」

「そんな、って……」

「二人っきりになれる場所じゃ無くて大丈夫か、って意味だけど」


そう言って俺はその気恥ずかしさを誤魔化したりして。



俺の言葉を真に受けた立花は赤くなって視線があちこち彷徨ってて、なんかイタズラした後の犬とか猫みたいだなって、思わず笑ってしまった。


俺は立花の頭をクシャリと撫でて、目的地へと車を発進させた。



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