先生がいてくれるなら②【完】


爽やかな青い青い空と、真夏より少し低い位置にある太陽の光を反射させている青い海が俺たち二人を迎えてくれて、俺は改めてこの場所は本当に特別な場所なんだと実感する。



お店の駐車場に車を止めて、嬉しそうに微笑む立花の手を取って。


有紀さんは1階のディスプレイ装飾の一部を秋物から冬物へと取り替えているところで、俺たちが入ってきたことにまだ気付いていないようだ。


「有紀さん」

「こんにちは……」


俺と立花がそう声をかけると、有紀さんの手がはたと止まり、驚いたように振り向いた。


そして──有紀さんは驚いた表情で俺たちの顔と繋いだ手を見た後、やっぱり、すぐに涙目になった。



2階へ上がりきる前に、リョウさんと鉢合わせした。


リョウさんも、有紀さんと同じように俺たちを見て、絶句した。


言葉なんか無くても、二人が心から俺たちの関係性の変化を喜んでくれているのが分かる。



「コーヒー淹れる」って言って厨房へと消えたリョウさん。


きっと今頃コーヒーにお湯を落としながら泣いてるんだろうな。


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