先生がいてくれるなら②【完】
でも……
「やっぱ、ウソじゃないかも……」
そう呟いた俺に、立花は首を傾げて俺の顔を下から覗き込んだ。
上目遣いの、その表情──
「お前さ、その顔、反則……」
「え、何がですか……?」
自分のしたことが全く分かっていない立花は、首を傾げて俺を仰ぎ見る。
「キス、したくなるから……そう言う顔、やめろ」
苦笑いしながら俺がそう言うと、きょとんとしてる。
そして、たっぷり一拍どころか三拍以上置いて、顔も耳も首さえも、真っ赤に染まった。
あはは、可愛い、何この可愛い動物。
そんで、下向くの禁止って言ったよな?
俺は両手で立花の頬を包み込んで、上を向かせた。
「せ、先生……」
朱に染まる頬、少し潤んだ瞳で俺を呼ぶ。