先生がいてくれるなら②【完】
医師の説明によると、全身に蹴られたような跡があるのと、かなりの脱水症状を起こしているようだとの事だった。
幸い骨折や出血などは無く、念のため数日入院して様子を見た方が良いらしい。
立花──。
処置室から病室へと移動させることになり、その前に俺は、滅多なことではかけることのない相手へと電話をした。
3コール目で相手が出る。
自分でも驚くほど緊張しているのが分かった。
「お願いがあります……」
相手は、俺の父親だ。
この病院の教授で──俺には何の興味も無いけど、その地位は、病院長の次だと言われているらしい。