先生がいてくれるなら②【完】

光貴先生はため息をついたあと、「じゃあ僕が代わりに紹介するね」と言って意味ありげに微笑む。



「こちらは兄さんがお付き合いしている、兄さんの最愛の女性の立花明莉さん」




──は!?


ちょちょちょ、ちょっと待って下さい、光貴先生!?


い、いい、いま、変な言葉が追加されてましたけど!?


いくら自分のことではなく人──いや、兄、のこととは言え、そんな恥ずかしい言葉を、よくサラッと口に出来るものだと、思わず関心すらしちゃいますよ!?



絶句する私──。


そして、やっぱり私の隣で、驚愕して絶句する孝哉先生──。


更に、それを真に受けたのか、「そうなんですね、広夢です、よろしくお願いします」と深々と私に向かって頭を下げる広夢さん──。



ど、どうなってるんですか、この兄弟は!?


と思いながらも、私も反射的に「た、立花明莉ですっ」と言って、頭を下げた。


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