先生がいてくれるなら②【完】
通話が切れると俺は、ふぅ、と大きく息を吐いた。
父親と話をしたのはどれぐらいぶりか。
少なくとも俺が大学を卒業してからは一度も話していないから、3年、いや4年近くになるのか。
相変わらず尊大な話し方で、吐き気がする。
俺からの要望に条件を付けて来る所も、本当に相変わらずだ。
それでもすぐに病室の手配をしてくれたらしく、立花は個室に移されることになった。
点滴の管で繋がれ、手足に赤い跡が残るのが痛々しくて俺は彼女の傍らに座り奥歯をギリっと噛みしめる。