先生がいてくれるなら②【完】
そして私たちはいま、クリスマスマーケットに来ている。
クリスマスオーナメントなどの雑貨や、ワインや料理、クリスマススイーツなどのお店が並んでいて、音楽やパフォーマンスなどのステージも開催されるらしい。
たくさん人がいて、私はこの中に誰か知ってる人がいるんじゃないかと気が気じゃない。
それに対して先生はとても冷静で「こんなに人がいるんだから大丈夫」なんて涼しい顔をしている。
まぁ、そうだよね。
せっかく一緒にお出かけしてるんだから、楽しまないと、ね。
私は先生が差し出す手に自分の手をそっと重ねる。
……先生の手が、ひんやりと冷たい。
私の手を取った先生は、すぐに指と指を一本ずつ絡み合うように繋いだ後、そのまま先生のコートのポケットへと入れた。