先生がいてくれるなら②【完】
──あれだけ大急ぎで、睡眠も削って、手を抜ける所は手を抜いたのに……結局多すぎる雑用のせいで仕事がクリスマスイブまでもつれ込んでしまった。
仕方なく午前中だけ学校へ行って、大急ぎで終わらせた。
ほかの同僚教師に引き留められる前に、俺はそそくさと学校を後にする。
一度自宅に戻って着替え、昼過ぎに立花の家へ車で迎えに行った。
立花の家の前に到着した旨を連絡して、車の外で出てくるのを待つ。
すぐに立花が玄関から出て来て……。
お、おぉ。なんてことだ。
すぐに車に乗るからと、コートを手に持った立花のワンピース姿の可愛さに、思わずクラリと目眩がする。
「……可愛い。似合ってる。……食べて良い?」
そう本音を漏らすと、立花は真っ赤になってあわあわと慌てふためいた。
いやぁ、可愛いなぁ、ホント食べたい。
立花はまだあわあわしてて、「せ、せせせ、先生っ……!」なんて言ってる。
ははは。
「ま、とにかく車に乗って」
と立花を車に乗せ、クリスマスデートがスタートした。