先生がいてくれるなら②【完】


私は、先生のことが好き。


とても、とても、好きで、大事で……。



だから私は、私から先生の手を放す事に決めた。


先生が一番大事だから。


私自身なんかのことよりも、先生が大事だから。


私の人生なんか、どうにでもなるし、どうなったっていい。


生きて行ければそれでいい。


先生が傍にいないのなら、もう、どんな人生だって意味なんて無いから。



側にいたとしても先生が幸せで無いのなら、私にとってそれは最も辛いこと。


だから……私は先生の手を放すって決めたんだ。


それが、先生のためだから。



ごめんなさい、先生。


私が我が儘でした。


私の我が儘のために、先生をあんなに苦しめた。


あんなに傷つけた。




先生、もう、私のことは忘れて下さいね。


私はもう来年には先生の近くにいないから。


そうしたら、私を記憶から消して下さい。



そして、どうか……、どうか、幸せになって欲しい。


私の願いは “先生のしあわせ” だから──。



先生、大好きです……。




大好きです────。





< 291 / 354 >

この作品をシェア

pagetop