先生がいてくれるなら②【完】
どうしていま悠斗がこんなに荒れてるかって言うと、それはうちの学校のクラス分けの仕方に端を発する。
うちの学校は、公立にもかかわらず理系・文系ともに、『特別選抜』と『選抜』クラスが設けられている。
つまり──
1組・・・理系 特別選抜
2組・・・理系 選抜
3組、4組・・・理系
5組・・・文系 特別選抜
6、7組・・・文系 選抜
8~10組・・・文系
こう言うクラス分けになっているわけで。
悠斗は2組なので、理系の選抜クラス、と言うことなのだ。
そしてそのクラス分けの元となるのは、直前に行われる模試だと言われている。
その模試を、悠斗は手を抜いた、と……。
手を抜かずに目一杯頑張った私が3組で、手を抜いた悠斗が2組、と……。
じゃあ手を抜かなかったら、悠斗は1組の特別選抜クラスだったって事なのかな。
理転組は普通は1・2組にはほぼ入れないらしい事を考えると、とてもすごい事なんだよね。
──そして、藤野先生は、と言うと……2組の担任になった。
そう、悠斗のクラス担任だ。
私のクラスの担任は、化学の島崎先生。
私がいま一番困ってる科目は化学だから、ピッタリだ。
いつでも質問に行けるから心強い。
ある意味完璧すぎるクラス分けに、私は思わず苦笑した──。